チリに来てから1か月間、語学学校に通った。
最初の1か月の目標は、
・学校に集中する。
・チリの生活に慣れる。
・学校やホームステイ先でコネを作る。
この3つだった。
それなりにこなせたミッションだったと思う。
割高なホストファミリーを選んだおかげでちゃんとした家で集中して学校の宿題に取り組めたし、
治安が良く、安心して異国に馴染めた。
色々な人に出会うこともできた。
だけど何かが物足りないと思った。
サンティアゴという巨大な都市で生活していてもなんとなくチリの文化というか、(チリ人になる!)という第一のスローガンに近づいていないと感じていた。
東京で生活するのと変わらないというかなんというか。。。
だから周りのチリ人にサンティアゴ以外の街、出来れば田舎でチリのカルチャーらしいところはどこかと聞いた。
皆、裏で口を合わせたのではないかと勘繰ってしまうほどに、「puerto montt」が良いと勧めてくれる。
心の中では頼むから暖かいところを勧めてくれ!と案じたのだが。。。。
puerto monttはチリのはるか南に位置する街で、南極に近い。よって寒い。
俺は寒いのが大嫌いで、日本とは逆でこれから冬になるチリだから暖かいところに行きたいと直感で思っていたから寒い地域には絶対に行きたくなかった。
ただあまりに皆が皆勧めるので、興味を持った。
また、大自然の中で、動物に囲まれて田舎のチリ人と生活してみたいとも思っていた。
ちょうどボランティア活動サイトで「puerto montt」のファームステイの募集が掲示してあったので、飛びついた。
目標は、
・チリの田舎に住む
・スペイン語を勉強する
・チリの文化を勉強する
・一人でさみしいからコミュニティに属したい
・給料はないが、タダ飯と宿が提供される
だった。
ただ現地に来てみると、とんでもない場所だった。
良い点
・雇い主のチリ人のおじさんやボランティア仲間がみんないい人
・仕事はきつくない
・宿、飯はタダ
・常にだれかいてくれて寂しくない
いや滅茶苦茶良い条件ではないか。。。
これだけのいい点があるから俺は幸せだと思わなければだめだ。
いや本当に幸せだ。
スペイン語も話せる、寂しくない、みんな優しい。
この3つだけで丸儲けだ。
だけどこんなことは口が裂けても言いたくなかったが、日本が恋しい。
すごく帰りたい。
都会生まれの俺にはこの環境はきつすぎる。
嫌な点
・田舎がすぎる
・仕事が土木作業で、俺が全く役に立たない
・言葉が通じない
・衛生面が悪すぎる
・プライベートが一ミリもない
・寒すぎる!!!!!!!!!!!!!!
・シャワーが熱湯か水しか無い!!!!!
・飯がまずい!!!!!!!!!!
とんでもなく貴重な体験ができている分、マイナス面が多すぎて、
シャトーテル赤根崎の生活がどんだけ美しかったかを認識できた。
・自分の好きな調味料があって好きなように好きなタイミングで、好きな材料を買って食いたい飯を作る。
・暖かく清潔な大浴場がある。
・サッカーが自由に観れる。
・yuotubeが好きなように見れる
・ジムがある
・目の前が海
これだけあれば幸せすぎるんだ。
これ以上仕事ができないと魂がすり減っていたから、どうせ今もし熱海にいても不幸に感じていて、ワーホリ行けばよかったとか考えていただろうから後悔は全くないけど、あの一人暮らしは幸せといってなにも差し支えは無い。
なにかを欲すればなにかを失う。
頭のいい人だったらこんなこと失わなくても知っているけど俺は馬鹿だから経験しないと分からない。
滅茶苦茶いい経験だと思う。
俺はすぐにマイナス面を見つけて、俺は不幸だと嘆いて、未来の心配ばかりして今をまじめに生きない。。。。
進路に迷ったときは、どっちが幸せかを考えがちだけど、それだと楽で成長しないほうを選びがち。
一方、その仕事を続けることが人間的成長につながるか、それとも続けることで魂がしなびていくかを考えれば、自然と進むべき道が明らかになる。
俺はあの仕事を辞める決断をしたんだ。もっと生きていると感じられる状況に身を置きたいと思える場所を探すために。
だからあの快適で素晴らしかった熱海での生活を抜け出して、まったくの異文化での過酷な生活を体験している。
これは本当に幸せなことだ。
やっぱり俺は日本食が好きで、日本のお風呂が好きだから、ここ南米に永住するつもりは今のところない。
だけどこの特殊すぎる経験は必ず自分の成長につながると確信している。