南米で知り合った人たちとの会話の中で頻繁に聞かれる質問に、
「日本語と中国語、韓国語は同じなのか?あるいは似ているのか?」というものがある。
ひどいときは、「日本と中国は同じ国なのか?」という、
「冗談じゃない!」とすかさず言わずにはいられない質問までされる始末だ。
南米の国(というか世界共通?)の人々にとって、日本と中国、韓国は言語や文化、人種や食べ物はほとんど同じにみられている。
ただ南米人にそう思われるのは仕方がないというふうに思う。
南米の国々は同じスペイン語という共通の言語があるという、決定的に東洋の国とは異なった特徴がある。
したがってペルー人とチリ人とボリビア人という異なった国々の人々が集まっても、
簡単にコミュニケーションが取れてしまうわけだ。
日本人、韓国人、中国人が集まっても、まったく会話は成立しないだろう。だが南米では会話が成立する。
それ故に南米人は、日本と中国と韓国は文化的に似ていて、まるでラテン語のように非常に親和性のある近しい言語で、
日本人、中国人、韓国人はお互い近い言語だからコミュニケーションが取れると誤解されることは理解できるだろう。
ただ言語については明確に違うと答えている。
「俺は中国語で知っている単語と言えば、謝謝くらいだし、韓国語もカムサハムニダくらいしか知らないし、発音もまるで違う。完璧に異なった言語だ!」と答えている。(文法が似ているとか言われるかもしれないが、お互い全くコミュニケーションが取れないのだから、完璧に違うで合っているでしょう?)
「ただ中国語の文字はほんの少しだけ似ていて、例えばホテルの館内インフォメーションに、【タバコは吸ってはいけません】と中国語で書いてあればなんとなく理解はできる」という風なことも、調子が良ければ答えてあげる。
ただ困ったことに文化については、明確に違うといえば違うし、あんたら南米の人たちよりかは似ているということになるので、上手い回答ができないでいる。
料理についても、日本料理と中華料理、全然違うとは思うけど、あんたらが食っているものと比べたら、味付けなんかは似ているということになる。
全く異なるといえば、まったく異なるけど、
その差を表現するとなると微妙なニュアンスも必要になってくる気がして、
言語化するのが難しいのである。
ちなみに、俺的にはペルー、チリ、ボリビア等々、人種は様々違えど、食べているものや文化に明確な違いがあるようには見えない。
正直、日本で例えるなら、東京と大阪ぐらいにしか南米各国で大きな差は無いように思う。(まだほとんど知らないのに失礼な発言ごめんなさい)
彼らに言わせると、まったく異なる文化だと胸を張って言うのだけれど、
俺ら日本人が思う、日中の違いのほうがはるかに違う気はする。
南米に来てからというもの、自分の固定概念はなるべく無視するように心がけている。
それくらい、日本人と地球の裏側の人々との感覚はかけ離れているからだ。
だからその感覚が面白いし、色々と勉強になる。
日本人の良いところと、南米の良いところが合わさった人間になりたい。
ちなみに余談だが、今働いているホテルの人たちに言わせると、
中国人観光客のマナーは酷いらしい。
使用した部屋はめちゃくちゃに散らかっているし、話し声はうるさいしで評判は最悪である。
他国に来てまで南米人をうんざりさせるほど、マナーが悪い中国人とはどういうことなんだろう。
ちょっと俺的には考えられない。
よく、日本人留学生あるあるで、外国に住むと、日本にいる以上に日本人的振る舞いをしてしまうというものがあるらしい。
なんとなく俺もわかる気がする。
無意識的に日本人として恥ずかしくない行動をしようと心がけている。
ただどうやらこの感覚は彼らにはないようだ。