26時間の長距離バスに乗ってきた!!

何人か日本の友達が俺のブログを読んでいるようである。

この場でいわせていただく
とても恥ずかしいので早急にこのしょうもない俺の個人的な日記を読むのは止めていただきたい。

前回のブログでRegistro civilというチリにおける外国人用のパスポート取得が、仕事をするうえで必要不可欠だということを知って、わざわざサンティアゴからはるか北の街イキケに行くことになった。

長距離バスで26時間の移動である。(東京≒大阪間でもしんどいのに)

ただ実はイキケという街は以前から興味があった。
年中温暖な気候で(冬でも20度前後)、ペルーに近く、砂漠とビーチが同居するという不思議な街だから、一度行ってみたいなと思っていたが、

たださすがに長すぎる移動時間だ。憂鬱すぎる。

まあこれもいい経験と考えて、
チケットを片道1万円で一番低いランクの座席を購入した。(バスの質は日本の夜行バスのようなものと考えていただいて構わないついでにトイレ付。なんなら日本のバスより質は良いかもしれない)

外国人パスポートが必要と知ってからわずか2日でイキケへ出発した。
皆さんもこの行動力は見習った方がいい。

7月13日木曜日午前11時20分、ついに恐怖の26時間長距離バスの旅がスタートした。

3時間おきくらいに停車して、20分ほど休憩タイムがある。

車酔いして体調が悪くなったら嫌なので、読書などの作業は出来ない。まさに永遠と感じられる26時間の旅だ。

ぼけぇと窓の景色を見ながら、もし仮にあのまま会社を辞めずに真面目に働いていた時の自分を妄想する。
それはそれでいい人生だったんじゃないかと後悔したり、現在無職の自分の将来に不安を覚え、憂鬱になる15時。
まだ4時間しか経過していないじゃないかと、頭を抱える。

時間が余り過ぎると余計なことを考えてしまうから駄目だ。

18時ごろ。ラ・セレナという海辺の街の停留所で屈伸がてらバスの外に出る。

「15分はバスは出ないよ」と、乗務員の兄ちゃんに言われたから安心して周りを運動がてらプラプラ散歩していたら、乗っていたバスが急に発進した!!

俺と近くにいた同じバスのおばちゃんは大慌てで発進したバスに走り寄ったが、
ただただバスは駐車場所を変えるだけのようだった。

なぜかそのおばちゃんと助かったぜ的な意味合いがあるのかハイタッチをした。

慌てさせやがって、まあとく考えたら乗務員の兄ちゃんもまだ外にいたし慌てる必要はなかった。

乗車時に乗務員の兄ちゃんがニヤニヤしながら
「驚いたか?」と聞いてきたので、「Nada(全然)」と余裕綽々な態度で凛として答えてあげたが、焦ったのはバレバレだっただろうから恥ずかしかった。

この乗務員の兄ちゃんは、イケメンで、客の荷物持ちをしたり、駐車場の確保をしたりテキパキ仕事をしていてかっこよかった。
ちょうど仕事内容としてはホテルマンと相通じるものがあるので余計に、働くってかっこいいなと、無職のおっさんは考えてしまい、また少しだけ憂鬱になった。

退屈なバス車内ではラジオが唯一の心の癒しだ。
永遠にPODCASTで予めダウンロードしていたダイアンのラジオを聴いていた。
何のためにもならないが、ダイアンのダサいラジオを聴いていると元気が出る。

芸人ってなんだかんだ頭いい人が多いけど、ダイアンはダサい感じがあって良い。
憂鬱な気分に聞くにはもってこいなラジオだ。

チリという国は本当に不思議な土地で、サンティアゴを5時間ほど北上するともう砂漠がずっと続いていた。

チリは北南に細長い形をした国で、総面積は意外にも日本の2倍ある。
にも関わらず人間が快適に住める場所は極端に少ない。
北は砂漠地帯で、南は寒くて年中雨が降る。

とことん変な国だ。

それに比べて首都サンティアゴは地中海性気候のため過ごしやすい。
冬でも夜はそれなりに冷え込むが、日中は暖かい日で20度近くなる。
だからなのか、人が異様にサンティアゴに集中するから参る。

バス車内のマナーは思ったほど悪くなかった。

たまに深夜にも関わらず、大声で電話する馬鹿者や、イヤホンという文明の利器をを知らないのか大音量で動画を見るジジイや、後ろからガキが座席を蹴ってきたりと、腹が立つこと無くもなかったが、我慢ならないほどでもなかった。

長距離バスや、地下鉄、街を歩いていても、チリ人の民度の高さはそれなりだとは思う。

日本人のマナーに慣れてしまっているので、このくらいのマナー違反でもイラっとくるが。

そもそも日本人は他人の目を気にしすぎる人種だ。

それはもちろん世界に誇れる素晴らしい面でもあるが、それと同時に俺たち日本人が生きづらくなっている要因でもあると思う。

こいつら(チリ人)を見ていると、みんな自由奔放で、他人の迷惑にも寛容だ。
だからなのか、日本人より幸せ指数は高いような気がする。

俺もこの2か月弱過ごしてきて、チリ人の無神経さにイライラすることは多々あるし、いまだに慣れない。
だけど他人にイライラすることほど人生において無駄なことは無いかもしれない。

多分日本人はみんな、「俺はマナーを守っているのにお前はなんでマナーを守らないんだ!」と思ってすぐイライラするのかもしれない。

だから俺はこれからはこいつら(チリ人)を見習って、他人のことをもう少し寛容に見よう思う。

なんとなく普段こいつら(チリ人)を見ていると、イライラしている奴が日本人より少ない気がする。

みんな寛容というかなんというか。。。怒ってるやつがあんまりいないというか。

別に今更日本人がこいつら(チリ人)の気質を学ぼうぜ!なんてしょうもないことは言わないけれど、

俺はもうちょっと、他人に寛容になって、イライラしないようにしようと思った。

そういえば、ピースの綾部がアメリカ留学の体験を綴った本にも面白いことが書いてあった。

【留学して成功している人は、文化を色に例えると、日本の色(赤)とアメリカの色(青)を上手にミックスして、紫色にしている人が成功している】と書いてあった。

日本の良いところとチリの良いところを両方うまい具合に合わせていけたらと思う。

26時間ほぼ寝て過ごした長距離バスの旅を何とか乗り越えた。

トイレが近くなるのが怖くて、ドーナツ1個とエンパナーダ(南米風揚げパン)1個とオレオのクッキーと、500mlの炭酸水だけでなんとか乗り切った。
途中パンや飲み物を売りにわざわざバスに乗り込んでくる売り子も出現するので、飢え死にする心配もない。

しんどいかったけど意外とイケた。

帰りがあるのは考えたくないけど。

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