南米で草サッカーに混じった

20代でやりたいことの一番手ができた。

つまり夢が叶った。

ずばりそれは【南米で草サッカーに参加すること】だ。

ある日、プエルトモントのボランティア先の家の近くのサッカーコートで、少年4人がサッカーをしていた。

【やりてぇな】と独り言なのか俺の心の中の魂の声なのか分からないが、不意につぶやいた。

するとボランティア仲間のアルゼンチン人ファクンドが、少年たちに声をかけてくれて、俺とファクンドの二人はその少年たちの中に混じることができた。

『ありがとうファクンド、俺一人じゃあ声をかけられなかった。』
(この度胸は南米にいる間、すみやかに身につけなければならないスキルだ)

彼ら少年たちの年を聞くと15歳だという。

15歳のチリ人4人と33歳のアルゼンチン人1人そして日本人俺。

ああ夢に見た舞台だ。初めて南米人とサッカーが出来る。

とても幸せだ。

20代までにやりてぇなと思っていたことが達成されたことに無上の喜びを感じ、この体験を当たり前と思ってはいけないなとも感じた。(偶然が重なった奇跡なんだ)

ここまで約2か月間トラブルは一つもなく、五体満足で旅を続けられていることも奇跡だと意識するべきだ。

楽しいとか嬉しいって感覚を意識して感じることの大切さを、チリに来て学んでいるような気がする。

今いるファームステイは、
俺が来たときはブラジル人の25歳の女の子、18歳のアメリカの少年、33歳のアルゼンチン人のおじさんと4人のボランティア仲間がいて、毎日いい意味でも悪い意味でもにぎやかだったけど、
2週間がたち、皆んな任期を終えて帰って行った。

だから今、ファームステイ先のボランティアは俺一人となった。

俺一人いても仕事にならないと、雇い主のチリ人のおじさん(以降マリオ)は踏んだのか、仕事という仕事が無くて、非常に時間のある生活をしている。

1日の流れはというと、朝8時ごろ起きて、部屋を掃き掃除して、猫のトイレを掃除して、猫と犬の餌をあげて、自分とおじさんのための紅茶を沸かして、コーンフレークもどきのまずい朝食を作って、顔を洗ったら朝の仕事は終わり。
あとはひたすら持参したkindleで、冒険家、高野秀行氏の本や、「子供は40000回質問する」などのハウツー本を読んだり、天気がいい日は散歩をしながらPODCASTで「有田脳」を聴いたりと気ままに過ごしていると、夕方ごろマリオがむくむくと起きてくる。(衝撃的なことにマリオは1日に12時間以上の睡眠を毎日取る。)

料理は俺が担当している。理由はここの飯がまずいから。

ある日アメリカ人の少年が「欲しいか?」と尋ねて、(土木作業した後、ろくに手も洗わずに作ってくれた)目玉焼きとチーズをパンにはさんだだけのやつは、

塩とかコショウとか知らないの?
と思わず首をかしげたくなるほどお粗末なものだったり(くれるだけほんとうにありがい。感謝しろ。と、思うかもしれないが、有難迷惑なほどくそまずかった。)

マリオが作る料理は、味に奥深さがなく、食材を胃にいれる作業をしているのかと錯覚するほどにセンスがないし(わざと言い過ぎに表現している。タダ飯で腹が膨れているから文句なんてない)
しかも周りの人たちはそれを食べながら、うまいうまい言いながら食べているバカ舌どもだ。

だから今は俺が飯を作っている。

こんな奴らに任せてられない。

マリオに使っていい材料だけ聞いて、あとは俺が散らかった台所の調味料と、ガスがないため非常に弱いIH的なもので調理する。
玉ねぎだけのケチャップパスタや、ホワイトソースパスタ、ポテトとチーズのなんかうまいやつ、
などなど我ながらこの調理環境でよくできた飯を作っていると思う。

俺の味付けセンスは相当良い線をいっていると自信を持っていいだろう。

マリオたちもおいしいおいしいと言ってくれている。
恐らく本心だと思う。

でももしかしたらバカ舌うえに何を食べてもうまいと感じる生き物なのか、無理を言っているのかは判断しかねる

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